平安物語【完】



視線を避けるように目を泳がせていると、不意に抱き上げられて御帳台に入りました。

そのまま寝かされ、尚仁様は幾度と無く私の頬や額に唇を落とされます。

その表情を見て、思わず「お苦しそう…」と呟くと、苦笑いなさって

「お腹の子が、大切ですからね。

仕方ありません…。」

と仰いました。



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