平安物語【完】



「隆資、椿の上にご挨拶なさいな。」

そう言って立たせ、椿の上が「おいで。」と優しく微笑むと、隆資は嬉しそうに椿の上のもとへ寄りました。


「可愛らしいこと。

太郎君と同じくらいですね?」

太郎君と隆資は、まじまじと見つめ合っています。

とにかく可愛らしい隆資と、幼子ながらに美しい太郎君が見つめ合う姿は、本当に絵に描かせたいくらい可愛らしいのです。


そのうち少納言が「隆資。」と呼び、大好きな母君の膝の上に収まりました。



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