平安物語【完】



日か暮れてきて、若宮と太郎君が寝てしまったのを受けて、解散いたしました。

少納言が、若宮を御寝所へとお連れします。


後には私と右大将の君だけが残りました。


「女御様、」

右大将の君が、ニヤニヤ笑いを浮かべながら近づいて来ます。

「何ですの、気味の悪い笑顔をして。」

クスクス笑うと、

「先ほどの皆様もご存知のお話を、お耳に入れようと存じまして。」

ともったいぶって言います。



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