平安物語【完】



そのうち遅れて到着した女房達も段々と集まって来て、乳母と一緒に隆資もやって来ました。

若宮の遊び相手として連れてきたのです。

隆資は、少納言の腕が空いていると見るや駆け寄って抱きつき甘えます。

まだ三歳になったばかりとは思えないくらい聞き分けがよく、少納言が若宮を抱いている時は、ちょこんと隣に座るのです。

甘えたい盛りなのにと哀れで、なるべく若宮を抱き取るようにしたり、隆資を私の膝に乗せて可愛がったりするようにしています。



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