平安物語【完】



しかしじっとしていられなかった隆資は、あちらこちらと歩き回ります。

しきりに部屋から出たがるのですが、少納言が

「もう夜だから駄目よ。」

と言うと、いじけて出口近くで座り込んでしまいました。


「隆資、」

と私が呼んでも聞きません。

そんな様子も、子供っぽくて可愛いと笑っていました。



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