平安物語【完】



「中宮様は…賛成なさったと仰いましたが、本心ではいらっしゃらないでしょう。」


「賛成しています。

あなたの気持ち次第です。」


淡々とした尚仁様の仰い様に、言い知れない恐怖を感じました。


ドンと突き飛ばして、

「冗談はよしてください!!

そんなこと…出来るわけがありません。

中宮様がお悲しみになります!」

と訴えると、尚仁様は悲しそうに微笑まれました。


「そう…突然すぎましたね。

すみませんでした。

でも、考えておいてください。」

悲しそうな笑顔に胸が詰まって何も言えずにいるうちに御帳台に連れられ、そのまま休みました。



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