平安物語【完】



…いやはや、ものすごい視線を感じますわ。

もちろん、女性貴族が大衆に姿を晒すなんてとんでもない事ですから、私の車にもちゃんと簾が掛かっていて外からは見えないようになっております。

それでも簾を貫いて感じる視線の主は…若い男性貴族ですね。


入内を待っていた間、たくさんの方々からお文を頂きました。

…いわゆる恋文です。

東宮様への入内が予定されていた私に悪い虫がついては大変と、父がさりげなく断っていたみたいですが…。



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