平安物語【完】



そろそろ…と席をお立ちになります。


「女御、今宵待っていますよ。」

そう仰って、東宮様は私の部屋から帰って行かれました。


女房達は沸き立って、「やはり女御様はご寵愛が深くていらっしゃいますこと!」など言って私の支度を始めました。


新しいお妃様、申し訳ありませんが…

負ける訳には、参りませんわ。



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