平安物語【完】
一方の朱雀帝には、あの左大臣家の大君の女御に、東宮様の弟君にあたる三の宮(三男)様がお産まれなったそうです。
東宮様の兄上にあたられる一の宮様は、朱雀帝の更衣様のお腹でしたので、宮家の出の女御様のお腹の二の宮である我が君が、東宮にお立ちになったのでした。
一の宮様は今は式部卿にになっていらして、北の方お一人を大切になさり、六歳になる姫君もお生まれだそうです。
朱雀帝がその姫君を大層可愛がっていらして、特別に内親王宣下を頂いたようです。
式部卿宮様と東宮様は、異母兄弟とは思えない程に親しくていらっしゃいます。