平安物語【完】



すると東宮様は…何とも言えない瞳をなさって、

「あなたが気にする事は、何もありません。

中君は尚侍として出仕するらしいですから、弘徽殿女御であるあなたとは格が違います。

あなたの立場は揺らぎませんよ。」

と仰いました。


…その瞳。

私が本心と違う事を申し上げると、いつもその瞳をされる…

お嫌なのでしょうね…

でも私には、心のままに甘えることは出来そうもないのです…



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