苺ショートケーキ
甘酸っぱい苺
「可愛いよ」
…また。
まただ。
トナカイの角がついたカチューシャをしたあたしを見て、大ちゃんは笑いながら言う。
大ちゃんこと三浦大輔は、あたしの家の隣に住む同い年の幼馴染み。
「キョン?」
何も言わないあたしを、心配そうに覗き込む大ちゃん。
ほら、すぐ優しくするんだから。
あたしは、目の前の大ちゃんに恋をしています。
いつからだなんて、そんなのずっとずっと前から。
何で好きかなんて、そんなの全部。
気付いた時には、大ちゃんの言葉や行動、仕草や表情、全てがダイスキだった。
だから、あたしにとって大ちゃんは特別。
だけど大ちゃんにとってあたしは、妹みたいな存在なんだ。