苺ショートケーキ
「…あ。また降ってるよ」
「お、本当だ」
学校の外に出ると、ふわふわした真っ白なボタン雪が空から降りてきた。
「ふふっ」
ホワイトクリスマスになるのかな。
楽しみだなぁ。
「…そんな嬉しいのか?」
「うん!だって雪だよ?」
あたしは両手を広げ、雪を手のひらにのせた。
「高校生にまでなって、雪だけでそんなはしゃげるのは、キョンくらいだろ」
大ちゃんが笑いながら言った。
「そんなことないよ」
誰だって、うきうきすると思うし。
…多分。
「ほら、寒いから帰ろ」
そう言って大ちゃんは、あたしに手を差し伸べる。
……あ。
戸惑いながらも、大ちゃんの大きな手を握ってみた。