苺ショートケーキ
それから、縁側に寝転がって雪を見てる大ちゃんの隣に、あたしも座ったのを、今でも覚えてる。
――ねぇ、大ちゃん――
――んー?――
――あたし、大ちゃんの事好きだよ――
――うん…――
ちゃんと、伝えた。
だけど、それ以上なにも言わない大ちゃんの方を見ると、大ちゃんは寝てしまっていたんだ。
雪遊びのし過ぎなんだ。
ちゃんと聞いてたの?
もう寝てたの?
一気に体の緊張が解れ、ため息が出た。
横でスヤスヤ眠る大ちゃん。
寝顔を見てたら、堪らなく好きだって思った。
告白を聞いてたかとか、聞いてなかったとか、どうでもよくなって。
気付けばあたしは、愛しい寝顔に吸い込まれるようにキスしてた。
大ちゃんが悪いんだよ?
――人の告白、無視した罰ねっ――
届かなかった想いは、雪と一緒に風に舞った。