苺ショートケーキ



それから、縁側に寝転がって雪を見てる大ちゃんの隣に、あたしも座ったのを、今でも覚えてる。



――ねぇ、大ちゃん――



――んー?――



――あたし、大ちゃんの事好きだよ――



――うん…――



ちゃんと、伝えた。



だけど、それ以上なにも言わない大ちゃんの方を見ると、大ちゃんは寝てしまっていたんだ。



雪遊びのし過ぎなんだ。



ちゃんと聞いてたの?



もう寝てたの?



一気に体の緊張が解れ、ため息が出た。



横でスヤスヤ眠る大ちゃん。



寝顔を見てたら、堪らなく好きだって思った。



告白を聞いてたかとか、聞いてなかったとか、どうでもよくなって。



気付けばあたしは、愛しい寝顔に吸い込まれるようにキスしてた。



大ちゃんが悪いんだよ?



――人の告白、無視した罰ねっ――



届かなかった想いは、雪と一緒に風に舞った。



< 19 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop