苺ショートケーキ
甘い生クリーム
「はぁ…」
がむしゃらに走ってきたものの、行くあてなんてもちろんない。
大ちゃんの家…いやいや。
大ちゃんが帰って来ると困るし。
街中なんて、カップルで溢れてそうだし。
目的もなくフラフラと歩いていたら、
「……あ」
住宅街を抜けた先の、丘の上にある公園が目に入った。
もう、あそこしかないし。
あたしは階段を上がり、公園に入った。
特に広いわけでもなく、いたって普通。
だけど懐かしい。
小さい頃、大ちゃんと何度か来たことある。
公園の中央に立つ大きな木には、青と白の光り。
チカチカとついたり消えたりするライト。
あたしは近くにあったベンチに腰かけた。
「…はぁ」
もうため息しか出ない。
皆に悪いことしちゃったし。
告白どころか、ケーキすら渡せてないし。