苺ショートケーキ
「…知らない」
あたしは小さく首を横に振りながら言った。
「キョン、お前だよ」
え?
「あたし?」
そう聞き返したあたしに、大ちゃんは返事の代わりに微笑んだ。
「キョンの家族と俺の家族で、クリスマスしてたことあっただろ」
あたしはコクンと一度頷いた。
「その時に、寝てる俺にキョンがキスしてきて」
「…うん」
…て、は?!
え、ちょっと、えぇ!?
「し、知ってたの?!」
あたしが目を見開いて聞き返すと、大ちゃんは、
「もちろん」
平然とそう言って笑った。
「だ、だって、あの時寝てたよ!」
「あれ、空寝だよ」
アハハと笑う大ちゃん。