苺ショートケーキ
今思うとあたし、スッゴい大胆なことしたよね!?
寝込み襲うとか、変態っぽいよね!?
いくら好きだからとはいえ、普通はしないよね!?
「この時からなんだよ。俺が苺のケーキだけ食べられるようになったの」
「え?」
今いち理解出来ていないあたしに、大ちゃんは続ける。
「お前、あの時ケーキ作ってくれただろ」
…うそ。
覚えてたんだ。
でも、あたしの気持ちは伝わってないんだよね?
「俺が甘いもの嫌いで苺しか貰わなかったから、キョンが自分で食べたんだよな」
「…うん」
不意に空を見ると、満天の星空が広がっていた。
月があまり光ってない分、星が輝く。
宝石を散りばめたような夜空からは、もう雪は降ってはいなかった。
「その後すぐ俺にキスしたから、ケーキの味がしたんだよ」
「き、キスが…?」
「うん」
恥ずかしながらも、大ちゃんの顔を見ると、大ちゃんも空を見上げて話していた。