苺ショートケーキ
「特別に思う子からのキスの味は、俺にとって特別だから」
“ぎゅっ”
「!」
今度は首だけなんかじゃなくって。
毛糸や布のような温もりなんかじゃなくって。
心がいっきに、温かいものに包まれる。
満天の夜空の下、星たちが見ているなかで。
大ちゃんはあたしを抱き締めた。
「…大ちゃん?」
近すぎて。
というか密着していて、大ちゃんの顔が見えない。
「可愛いって、そんなに言われたくないの?」
「え…」
「でもさ、仕方ないんだよ」
大ちゃんは、抱き締めている腕の力を強くした。
「俺にとって可愛いのは、キョンだけなんだからさ」
あたしだけ…?
妹だからじゃなくて?
「わかった?」
体を話して、少し赤い頬をした大ちゃんが言う。
「うん」
あたしも照れながら返すと、大ちゃんは愛しそうに微笑んだ。