苺ショートケーキ
体がじんわりと熱くなったのを、胸の内で感じた。
「キョン、ケーキありがとな」
ケーキ…?
ケーキって…苺ショートケーキの事?!
あのイビツなケーキ!?
「た、食べたの?!」
「うん、やっぱうまかった」
自信はないけど…。
食べたって事はもちろん、
「あ、あのチョコレートだけどさ」
“ドキっ”
やっぱり見た、よね?
上に乗ってるんだから、見ない訳がないよね?
「あ、でも大ちゃんチョコレート食べらんなかったよね?ゴメンね」
「うん、でも食べたよ」
「え?」
平然と言う大ちゃん。
あそこに書かれた文字は、あたしから溢れた想い。
「あんなチョコレート、食べないわけないだろ」
大ちゃんは、あたしから顔をそらした。
キライなのに。
それでも食べてくれた。
それは、あたしの想いを受け取ってくれたって思ってもいいよね?
「大ちゃん…ダイスキ」
気付けば口が勝手に動いてた。