苺ショートケーキ
「大ちゃん、あたし大ちゃんがずっとずっとダイスキ」
よれよれなあたしの文字は。
あたしがチョコレートに書いた精一杯の想いは。
──ずっとずっとダイスキな大ちゃんへ──
ちゃんと大ちゃんに伝わったかな。
「あのさー」
少しため息が交じったような声で、大ちゃんは言う。
「なんでそんな可愛いの」
「へ?!」
そう言って大ちゃんは、あたしを優しく引き寄せてキスをした。
1度目のキスは、生クリームの甘い甘い味。
2度目のキスは、生クリームの甘い甘い2人だけの味。
満天の星が、あたし達を見下ろす公園で。
消して大きくはないイルミネーションの目の前で。
甘い甘いキスをした。