苺ショートケーキ
あたしは、大ちゃんが家に入ったのを確認すると、自分の部屋へ駆け戻った。
そしてコートをはおり、マフラーをまいて、ニット帽をかぶる。
最後に鞄を持ち、玄関を出た。
どこいくかというと、それは。
「いらっしゃいませー」
近くのスーパー。
大ちゃん用の、ケーキの材料を買うため。
大ちゃんは昔から、甘いものがダイキライだった。
勿論、ケーキも苦手。
だけどいつからだったか、苺ショートケーキだけは、食べられるようになってる。
チョコレートケーキやチーズケーキ、タルトやモンブランは駄目なのに、苺ののった白いケーキだけ。
それだけは文句1つ言わず、食べてしまう
何があったのか、その真相は大ちゃん以外、誰も知らない。
だからあたしは、クリスマスプレゼントに手作りの苺ショートケーキをあげたいんだ。