恋命
1985年12月25日、街はクリスマス色に彩られ、雪が舞い散る寒い中、ある産婦人科で1人の女の子が生まれた。

イエス・キリストの生誕を崇めるように、彼女の誕生も周囲の人間をほほえましくさせた。

両親が名付けた名は漢字一字で『心』-こころ-。

込められた願いは、何事にも心を尽くせる子であってほしいということ。

彼女は両親の願い通り、心を尽くす優しくて素直な子に育っていった。

両親はそんな心が愛しくて仕方なかった。

だけど運命は残酷だった。

心が自分の運命を告げられたのは、彼女がまだ3つの時だった。
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