蟀谷にピストル


隣でアイスを食べながら今日のことを思い出していた俺が急に立ち上がってビックリしたんだろうねーちゃんが「どーした?」と聞いてきた。

それに答えず、カバンから手紙を出して、またねーちゃんの隣に座った。

手紙を見てねーちゃんは

「今日告られてたな。青春ですなぁ~。」

と笑いながら言ってきた。
「うるさい」と言えば・ねーちゃんは「五月蝿いなんて漢字で書けるようになって言いなさい。」
と反抗期の子供に母親が叱るように言い返してきた。
言い返すのも面倒になったので手紙を読むことに集中した。

そこには俺をいつ好きになったか、どれだけ好きかが3枚の便箋いっぱいに書いてあった。


こんな風に俺を見ている人が居るんだと思った。でもこの想いには答えられない。そう、思った。

ふいにねーちゃんに聞きたいなと思っていたら口が動いていた。




「なぁ。ねーちゃんと彼氏さん上手くいってんの?」
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