蟀谷にピストル
僕の可愛い君、

白い肌を惜しげもなく。

そんな、無防備過ぎるよ、

僕だって男なんだから。


「ねえ、」

「なあに?」

「君、無防備過ぎるよ。」

「はあ?」


言ってる意味がわかんないのかな。


「だから、」

そう言って僕はめいいっぱい力を込めて、だけど、優しく、白い手首を掴んで僕の方へ引き込む。

彼女の白いワンピースが揺れる。

?を幾つも頭に浮かべる僕の可愛い君。




「だから、君の頭の中を僕でいっぱいにしたいの」


意味が解ったのか顔を真っ赤にして、全力で僕から逃げる君、だけど、そうはさせない。





僕の手跡が薄ピンクに残った君の白い手首に、










『手首に"キスマーク"』




それは、欲望。





(僕いっぱいにしてあげる)
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