蟀谷にピストル
ピアスホール
「ほら、見て」
「あ?」
「ピアッサー!」
彼女の手には大手ドラッグストアの安っぽいビニール袋。
「開けんの?」
「うん。」
「何かあった?」
最近彼女は可愛くなっていっている。やっぱり彼氏のおかげ?『恋する乙女は綺麗』はやはり嘘ではない。
「カレがね、くれたの!ピアス。オソロで!」
「そう、良かったね。」
「うん!」
「で?」
「開けてもらおうと思って!」
「ピアスホールを?」
「うん!」
それこそ彼氏にやってもらえばいいのに。
でも、あたしに頼んでくれるのは嬉しい。
"ぴあすほーる"
(ピアス、オソロの買おうね!)(…うん!)