蟀谷にピストル
家族会議。 爽やかに、青春
「青春ってすぐ過ぎていったわ。」
母、(46歳・結婚30年目)が言う。
「青春ねえ、あの時は青春って思わなかったけど。」
姉(長女)(28歳・バツイチ・子持ち)、が言う。
「ふーん。」
姉(次女)、(22歳・既婚者・別居中)は相槌を打つ。
「ねえ、あんたは?」
ドラマの青春ごっこに、見入っていた母が私(17歳・高校2年)に話を振る。
「さあ。」
私が返せば母は、面白くなぁい。と頬を膨らませる。あんた、48でしょう?ぶりっこすんな。
青春なんて、知らないよ。周りは青春してるらしいけど。あたしには関係ない。というより、面倒。
「青春なんて、苦いだけよ。」
適当に相槌を打っていた、姉(22歳・既婚者・別居中)
「あら、どんなの?」
食いついたのは、母。
「もう、どろっどろ。」
「ああ、いたいた。なんか三角関係の子とか。」
最後には、姉(28・バツイチ・子持ち)も話に入る。
その会話に入れない私はボーっと聞く。
"かぞくかいぎ。 さわやかに、せいしゅん"
(青春に血縁が関係あるなら)(私にはできそうに、ない)(壮絶な話を聞いてしまった。)