蟀谷にピストル
裸足で硝子を踏む。
いたい。そう思うのは、当たり前で、だって僕は裸足でひび割れた硝子の上に立っている。
歩いている。裸足の僕の肌を容赦なく裂く。血があふれる。
プッツーと赤い玉ができて流れていく。
痛さに顔をしかめる。
革靴を持てるような金はない。
成るままに、成るままに。
傷つけた。自分を、
硝子に身をまかせれば、楽だと思った。
"はだしでからすをふむ。"
(諦めるか、)(立ち向かうか。)
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裸足で硝子を踏む。