蟀谷にピストル
両手を広げて、
両手を広げて、
空にハグ。
あたしが今いるのは赤い夕焼けが墜ちてきそうな、学校の屋上のフェンスを越えたとこ、つまりあたしが一歩歩けばひゅーん、とおちて、チーン。多分、でもこの高さだったら、死なないでしょう。多分。あは、でもあたし、死にたい訳じゃない、し。破壊願望?自殺願望?とかないはず。だからじさつなんですげいこと思わないし、大丈夫。死ぬのは多分まだ先。とりあえず、今はただ単に空と一緒になりたかったの、よ。うん。フワッて浮くのかなって思うのよ。でもおちて、痛い目遭うのイヤだから。しないけど。
"りょうてをひろげて、"
(空を渡るように)(疑似体験。)