蟀谷にピストル
無防備な姫君の戴冠式
愛する君へ。
なんで君は、他の男の妻(モノ)になったのかなぁ。
今日は、あの男との晴れ舞台だろう?
その次の日には、つまり明日には、人生でどう足掻いても1度しかできない式を俺のお陰で、開くことができるんだよ。姫君。
ああ、白いドレスに包まれた君も美しいけど。キット次の瞬間に紅に包まれる君もすごくきれいだろう。
"むほうびなひめぎみのたいかんしき"
(そこで、俺は引き金をひく。)(冠は愛という幸せ。)
白に包まれた女は紅く染まり、紅く染めた男は女の愛する男から罰を受けた。