あなたにさえ、言えたなら。
あれは短い冬休みが終わって、3学期始業式へと私が体育館に向かう途中だった。

「ちょっと青!おいてくよ!!」

親友の間宮美音が、教室のドアの前で待っていてくれる。

「あ~!もう良いよ!!美音先行ってて」

「OK、はやく来いよ!」

美音はそのまま急いで体育館に向かった。

私は教室の中で何をしていたかと言うと、ラブレターを書いていたのだ。

そう、この頃にも好きな人がいた。

バスケ部の宮野楓君、とっても優しくてカッコいい子。

当然女子からもの凄い人気があったけど、私はその中でも1番仲が良かったと思う。

家が近所だから、よく学校にも一緒に行ったし。

それに休日は一緒に遊んだりした。

「えっと・・・好きっで良いかな?」

ラブレターと言っても、何を書けば良いかわからずにただ『好き』しか書けなかった。

「やばいよ、時間ないし!早く書かなきゃ~!!」

時刻はもう始業式から15分も経ち、あと20分で始業式は終わってしまう。

「うわー!もう嫌だー!!」

教室内で叫ぶと、突然ガラッとドアが開いた。

「あなた誰?」

――――そこには、白衣を着た長身でカッコいい男の人が1人たっていた。
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