ネオン
「もーう!連れて帰ってあげる…」
そう言って由佳の手を引き、タクシーに乗せた。

由佳の家ってどこだっけ…?

「すみません。この道を右折したところのマンションまでお願いします。」
「あいよっ!」
タクシーのおじちゃんが、顔をくしゃっとして笑った。

「隼人…せんぱぁい」
私の肩にもたれ掛かった由佳は、寝言を言っている。

隼人先輩って…どんな夢見てるんだろう。

「着いたよ!」
「へっ?」
「お客さんの家!」
「あっありがとうございます。」

「由佳…起きて?」
「ん…んあぁ~」
…ダメだ。
完全に私の話聞いてない!

もう…仕方ないなぁ。
私はタクシーから出て、由佳をおんぶした。

おっ重い!!
由佳こんなに重いんだ…笑
思わずこぼれる笑み。

空を見上げれば、真っ暗な夜空に星が沢山ちらばっている。

あぁ…。
あたし何してんだろう…。

< 4 / 16 >

この作品をシェア

pagetop