ネオン
「ありがとうございます。」

私は顔が見えないように、下を向いて言った。


「あ…ごめん。嫌だった?急に今から行くって言われてもね…?」


「い…いや!違うんです!本当は、凄く…凄く!!嬉しかった…です。」

先輩があまりにも悲しそうな声で言ったから、押し殺していた想いを言葉にしてしまった。



「ほ…ほんと?あ…りがと。俺も嬉しいわ!」

涼先輩は頬を赤らめ、ニッコリと笑った。




先輩の頬の赤さをもう一度確かめ、私は口を開いた。

「先輩…あたしっ…」


その次の言葉を言いかけたとき、握られた手がさっきよりも強く強く私の手を包んだ。

私の顔は絶対また赤くなってるから、先輩の顔を見ずに私は言った。

「せ…先輩?」


「ごめん!なんでもない!」

先輩はそう言って、握っていた手を離した。




先輩…分かってたのかな?


本当の私の気持ちを…。
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