深呼吸をして、教室に入る。


    ・・・しーん・・・

(え。どうして静かになるのよ)

軽く男たちを睨みながら、
自己紹介を始める。

「山崎美乃里です。
よろしくお願いします。」

そう言うと、
クラスの一人が言った。

「…女?」

それを合図に、
教室が煩くなった。

「お…女ァァァァァッッ」

なんだなんだ。
煩いやつらだ。
あたし、どうすればいいんだよ。

先生に、助けて。と
目で合図を送る。

「皆!!
静かにしなさい。」

はぁ・・・。
先生、やっていけないよ。
もっと、きつく言わないと、
この人たちは利かないよ。

さっきから男たちは、
「どこから来た?」
だとか、
「彼氏いるの?」
とかで、うるさい。


先生・・・。

「皆、いい加減にしなさい!!」

それでも男たちは静まらない。


「あぁ、もう、うるさいのよ!!!」

「え。」

クラス全員の声が重なった。
案の定、先生もポカーンと口を開けている。

「さっきから、
女、女って。
そんなに女に飢えてるのなら、
風俗でも行って来いや」

「ア?」

そして、ハッ。とした。

やばいやばいやばい
やばいやばいやばい。

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