男たちは…

(完全に、キレてるね)

「えっと、その、
よろしくね。」

「はい、皆、
山崎さんとよろしくしましょう。」

睨まれながらも、
ごまかした。

「じゃあ、山崎さんの席は
あそこね。」

え、ほんとですか、
先生。
嘘だと言って下さい。

だって、あそこ。
教室のど真ん中じゃないですか。

男たち、すごい睨んでますって。

(仕方ない…)

静かに席につき前を見る。

久し振りだ、
こんなに睨まれてるのは。

「おい、お前。」

誰かが話し掛けてきた。

「何?」

「お前、何者?」

何者って聞かれても…ね?

「何者って、普通者じゃない。」

すると男はふっ。と笑った。

「おもしろいやつ。」

「それ、失礼なんだけど。」

「そんなの、知るかよ。
俺、北野。よろしく」

「・・・・・」

驚いた。

「なんだよ?」

周りの男が、笑っている。

「悠、無視されてんの。」

そうちゃかす男。

「うるせぇよ。
で、なんで黙るの」

そしてあたしが
発した言葉。

「勝手によろしくしてんじゃないよ。」

「はァ?
なんだよ、じゃぁ、よろしくしてくれなくて」

よろしくしてくれなくていい、
と言おうとしたんだろう。

「よろしく。」

「なんだよ・・・。
俺、北野悠。」

「うん。」








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