華
「悠だけ、ずるい。
俺もよろしくね、山崎さん」
こいつは、
慣れなれしいな。
笑顔がひきつりそうになるのを
我慢して、そいつを見る。
「よろしく。」
「俺、中西圭。
よろしくね」
(ん?
なんか、どこかで聞いたことあるような…)
「山崎美乃里。
よろしくね。」
なんか、男子校って感じしないな。
確かに、男しかいないけど…。
何か、違う。
あたしは、悠に
興味深い話を聞いた。
「山崎。
3年の池田先輩には気を付けろ。」
「え?」
池田…。
「池田裕也。
族にも入ってるし・・・
バックにはヤクザがついてるって話だし。」
池田裕也。
あたしが、初めて好きになった人。
「女だって何人もいる、
気をつけろ。」
悠が真面目に話すから、
あたしも真面目に聞いていた。
裕也は、確かにあたしが
好きになった人。
でも、あいつは最低だ。
何人のも女性を付き合って、
最後には裏切る。
そんなやり方に、
あたしは呆れた。
自分の気が悪くなれば、
人を殴り、暴れまわる。