裕也は、最低。
だけど、
そのあとに起こった事件。
あの時のあたしの方が、
最低だっただろう。


「山崎?
大丈夫か?」


「あぁ、ごめん。
大丈夫よ。」

授業中だって、
気がのらなくて、
圭と悠以外の視線が
痛くて。
授業に集中できないでいた。

(寝ようかな・・・)

そう思い、机にうつ伏せた。

しばらくしてから、
教室がうるさくなった。

あたしは気にせず、眠っていた。

「ここは3年生が来る場所では
ありません。」

「まぁまぁ、いいじゃん。
先生、ね?」

3年生だろう。
遊び慣れた感じの声が
嫌でも耳に入る。

「池田君に高橋君、
自分たちの教室に戻りなさい。」

池田!?

あたしは顔をバッとあげた。
周りの男たちは、びっくりしていた。

バチッ。と裕也と
目が合った。

思わず、目を逸らしてしまう。

「あれ?
美乃里じゃんか。」

あたしは黙って
裕也を見る。

悠と圭は、
あたしを見て驚いている。

「お久しぶりで。」

笑顔を作り、
裕也を見る。

「ずいぶん落ちぶれたな。
昔の美乃里はかっこよかったのに。
今じゃ、こんなに女の子らしくなっちゃって。」

「何が言いたい?」



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