それでもお前は俺を…



そこにいたのは、


以前、俺に彼女がいるのかを聞いてきた女とその友達であるゆかだった。



「松村君の友達って、草野君だったんだ!」



声を掛けてきた方の女は、俺を見るなり驚いた様子でそう口にした。




「え?2人って知り合いだったの?」




女の言葉を聞いて、恭平も、驚いてそう口にした。



「前に、あたしが、話しかけたの覚えてる?」



さっきの女が、俺に向かって、そう尋ねた。



「あぁ。…覚えてる。」


「本当に? あの時は、突然、話しかけちゃってごめんね。」


俺が、そう答えるなり、女は、申し訳なさそうに、そう言った。



「いいよ。全然気にしてないから。」



相変わらず、俺はそっけない態度をとる。



「そうだ! 紹介するね。 あたしは、2-Bの森下 美空です。

それで、こっちが同じクラスの神谷 有華。」



名前を紹介された、有華は、俺に向かって軽く頭を下げた。


俺も、有華に向かって軽く頭を下げた。



「森下さんに、神谷さんね。 よろしく。」



俺が、作り笑いをして挨拶すると、

2人も、同じような言葉を返してきた。




しかし、まさか、あの時俺に話しかけてきた女が、恭平の言っていた、可愛いと有名な女だとは知らなかった。



そして、こんな形で有華と面と向かって会うことになるとは。
< 11 / 12 >

この作品をシェア

pagetop