それでもお前は俺を…
「…お? お前、また考え事してんのか?」
恭平が、俺の顔をマジマジと見つめた。
「“また”って…俺、そんなしょっちゅうしてるか?」
「あぁ、 お前はよくボーッとしてる。
つか、さっきの俺の話スルーかよ。」
恭平の奴、何か話してたっけ?
「わりぃ…
ボーッとしてて聞いてなかった。」
「うわ、またかよ…
まぁ、お前のその性格にはもう慣れたからいいけど…
んで、話ってのがさ…」
一端、間を置いて恭平は話を始めた。
俺は、テーブルの上のコーラを手に取り恭平の話に耳を向ける
「俺さ、好きな子できたんだよねー」
「へぇ、」
「相変わらず冷めた反応だな。」
「で、どんな奴なんだよ?」
恭平の言葉を無視して続けた。
そして、右手のコーラを飲みながら恭平の言葉に耳を傾ける。
「隣のクラスの子だよ。
名前は、森下 美空。
結構、有名だから、お前も知ってんだろ?
半端なく可愛い…つか、もろ俺のタイプ」
「ふーん、知らない。」
「つか、お前…知らねぇのかよ。」
「そんな名前、初めて聞いた。
つか、まず俺、そういうの興味ねぇし。」
「あんだけ有名なのにな…
お前も、そういうとこ無知だよな。」
無知で悪かったな…。
「まぁまぁ、ご機嫌損ねないでさ…
一つおいしい話があんだって!」
そう思った俺に気づいたのか、恭平はヘラヘラと奇妙な笑みを浮かべながらそう言った。
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