虹のひかり


虹が消えると、少女は私を『ぎゅっ』とした。

そして、ぽつりと呟いた。


「ねぇ、アマリ?アマリが人形じゃなかったらいいのに…。」


私は、やっぱり何も答えなかった。

ううん。

違う。

何も答えられなかった。

私は、口をもってはいるけれど、声を持ってはいなかった。

だって、私は人形だもの。

少女の遊び相手として買われた、そこら辺に売っている、人形。


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