虹のひかり


【 悲しい 】


…あれ?

私の気持ちが、言い表せられる。

そうか。

私は【悲しかった】んだ。

じゃあ、たぶんさっきのは、【不安】だ。


私はなんとなく、口を動かしてみた。


「あ、あ…。」


少女と違って、すらすらとは出なかったが、声だった。


私は、足も動かしてみた。

…動いた。

立ち上がってみた。

ふらふらする。

でも、歩かなきゃ。


私は、少女がいつも消えていく扉の方に歩いた。


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