I'm in LOVE〜禁忌〜
玄関が開いた音がした。
え?
蓮、出掛けていたの?
慌てて降りて行くと、コンビニの袋を持った蓮がいた。
「あ…わり。起こした?」
「どうしたの?…顔」
左の口の端が赤紫に腫れてる。
「あぁ…転んだ」
「嘘だ」
蓮は笑った。
「桜の好きなアイス買ってきた。食うか?」
「その前に消毒!」
「はぃ」
蓮の手を引き、居間に入った。
消毒液をコットンに湿らし、蓮の口の端を優しく拭いた。
「いてっ!…桜、優しく…」
「…喧嘩したの?」
「転んだ」
「嘘だ」
「…」
「…うん。…ありがとう」
「…」
「宇田川くん…でしょ?」
「…」
「…蓮は昔から嘘がヘタだね」
「ヘタなんじゃなくて、つけないだけ」
「蓮らしい」
あたしは笑った。
蓮も口の端を気にしながら、笑った。