ゆきんこ【完】
後悔
先に言っておくと、敦志の苗字は『岬』。
アドレスの書いた紙に、書いてあったから間違いない。
そしてもう一つ言っておくと、『敦志はモテる』というあたしの予想は見事に当たっていた。
聞きたくなかった。だけど、つい聞いてしまうというのが人間の性って奴。
扉に耳を近づけて、三人組の話を聞いた。
「もう聞いてよ!またあっちゃん告られたんだよぉ?!」
甘ったるい感じの女。
「ああ、岬?ギネス載るんじゃね?でも断ったんでしょ?」
クールちゃん。
「でも愛、脈ありじゃあ〜ん」
元気でミーハーっぽい。
「まぁね。あっちゃん、って呼んでるの、愛だけだもーん」
「そんだけかよ」
「もう、春は!愛結構仲いいじゃん」
「愛から行ってるんじゃん」
「はるはるひどぉい」