ゆきんこ【完】

壊れた


あたしは早足で、端のトイレから端の階段までを歩いていた。

B組を通り過ぎようとした時、後ろで教室の扉が開く音がした。

誰かがでてきたのが解る。

誰かに見つかってしまった。

でも今はもうそんな事どうでも良かった。

だからそのまま早足で、溢れる涙を必死で拭いながら、とにかく階段を目指した。

目指した、のに…!




「…美香…?」








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