ゆきんこ【完】

「あたしなんかより友達優先しとけアホ」

本音じゃ、ないのに。

「……」

「別に平気だし。あたし一人は慣れっこだから」

そんな事、思ってない。

「……」

「つーかあたし、無理してるとか自惚れじゃん」

笑って見せる。

あたしだって、ちゃんと好きだから。

「無理してほしくない」ってのは、少なからずあるものだし。

だから…

「さっき言っただろーが」

…だから…

「会えないとか、俺が無理なの。解る?ダチなんか、学校行きゃ会えるし。俺が勝手に会い行く。美香に拒否権ナシ!」

…だから、敦志の言葉にキューンとなる。

あたしは今、まるで恋する乙女…みたいな。

キモチワル…似合わないよお前には

って言われてもおかしくない状況。



だってあたしが「恋」してる。


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