28歳のシンデレラ
Cinderella:2
クリスマスイヴの駅前は、相変わらず世話しなく人が行き交っていた。
そのほとんどが恋人のように見受けられた。
時刻は十九時で、やはり相変わらずクリスマスソングが街中に響いている。
初雪混じりの渇いた風が、ひゅうひゅう、ビルの隙間を吹き抜けていた。
今年のクリスマスイヴの風は、辛い味がする。
「お姉さんの名前、教えて」
突然、隼がわたしの手をとり、繋いだ。
温かい手を、隼はしていた。
「真央……木下真央」
「いい名前だね」
「何処にでも転がっていそうな名前よ」
「そうかな。いい名前だと思うけど。このまま、手を繋いでいてもいいかな」
明るいところで見る隼の顔は、女のわたしから見てもどきどきするほど、整っていた。
オーランド・ブルームのように通った鼻筋で、きりりとした切れ長の目元。
無造作にセットされた髪の毛は、亜麻色をしていた。
「真央さんは、手を繋ぐのは嫌い?」
「いいえ、好きよ。わたしはいいけど、周りから見たらわたしは犯罪者だわ」
そう言って、わたしはクスクス笑った。
「それは困るなあ。でも、美人を連れて歩けるなんて、一生に何度もないからさ。光栄だよ」
なんて変な男子高校生なのだろうか。
そのほとんどが恋人のように見受けられた。
時刻は十九時で、やはり相変わらずクリスマスソングが街中に響いている。
初雪混じりの渇いた風が、ひゅうひゅう、ビルの隙間を吹き抜けていた。
今年のクリスマスイヴの風は、辛い味がする。
「お姉さんの名前、教えて」
突然、隼がわたしの手をとり、繋いだ。
温かい手を、隼はしていた。
「真央……木下真央」
「いい名前だね」
「何処にでも転がっていそうな名前よ」
「そうかな。いい名前だと思うけど。このまま、手を繋いでいてもいいかな」
明るいところで見る隼の顔は、女のわたしから見てもどきどきするほど、整っていた。
オーランド・ブルームのように通った鼻筋で、きりりとした切れ長の目元。
無造作にセットされた髪の毛は、亜麻色をしていた。
「真央さんは、手を繋ぐのは嫌い?」
「いいえ、好きよ。わたしはいいけど、周りから見たらわたしは犯罪者だわ」
そう言って、わたしはクスクス笑った。
「それは困るなあ。でも、美人を連れて歩けるなんて、一生に何度もないからさ。光栄だよ」
なんて変な男子高校生なのだろうか。