28歳のシンデレラ
たまらなく可笑しくて、わたしはケタケタと笑った。
隼はムッとした面持ちで、でも、駅前の人混みから然り気無くわたしをかばいながら歩いてくれた。
本の少し、わたしの辛さが和らいでいた。
さすが、クリスマスイヴだ。
何処のレストランもひどく混んでいて、満席だった。
「ここも混んでるわね。次、行こうか」
「うん。ところで、真央さんは何歳なの」
隼が訊き、わたしは立ち止まり、膨れっ面をしながら隼を見上げた。
「睨み付けないでよ。美人が台無しだよ」
「年上の女性に年齢を訊くのは失礼よ」
ぶっきらぼうに言うと、隼は困り果てた顔をして、
「ごめん」
と謝りながら笑った。
「……もう二十五歳よ、おばさんでしょ。隼は高校生だものね、羨ましいわ」
高校生に戻りたいとわたしは想いを馳せた。
二十代といえども、四捨五入をするとわたしは三十歳組なのだ。
高校生の隼が羨ましく思えて軽く落ち込むわたしを、隼は悪びれることなく笑い飛ばした。
「おばさんじゃないよ。まだまだ若いじゃないか。ぼくは高校三年で十七歳だよ」
「やっぱり!わたし、そう思っていたの。十七歳くらいかなって」
そんな会話をしながら入ったところは、小さな喫茶店だった。
隼はムッとした面持ちで、でも、駅前の人混みから然り気無くわたしをかばいながら歩いてくれた。
本の少し、わたしの辛さが和らいでいた。
さすが、クリスマスイヴだ。
何処のレストランもひどく混んでいて、満席だった。
「ここも混んでるわね。次、行こうか」
「うん。ところで、真央さんは何歳なの」
隼が訊き、わたしは立ち止まり、膨れっ面をしながら隼を見上げた。
「睨み付けないでよ。美人が台無しだよ」
「年上の女性に年齢を訊くのは失礼よ」
ぶっきらぼうに言うと、隼は困り果てた顔をして、
「ごめん」
と謝りながら笑った。
「……もう二十五歳よ、おばさんでしょ。隼は高校生だものね、羨ましいわ」
高校生に戻りたいとわたしは想いを馳せた。
二十代といえども、四捨五入をするとわたしは三十歳組なのだ。
高校生の隼が羨ましく思えて軽く落ち込むわたしを、隼は悪びれることなく笑い飛ばした。
「おばさんじゃないよ。まだまだ若いじゃないか。ぼくは高校三年で十七歳だよ」
「やっぱり!わたし、そう思っていたの。十七歳くらいかなって」
そんな会話をしながら入ったところは、小さな喫茶店だった。