ひもたい〜私と先生の3年間〜
第一章 始まり
家庭訪問
「ねぇ、響子」
「北山先生が、響子さんとお母さんとお話ししたいので、家庭訪問していいですかって言ってるんだけど、あなた大丈夫?」
母が、疲れはてた声で聞いた
「うん」
私は何も考えず、ぼーっと返事をした
当時の私は、なにもかもがどうでもよく思えていて、ただ一人
真っ暗な闇の中にいた
誰にも心を開かないで、ずっと孤独だった
でもね…
本当はずっと待ってたんだよ
傍にいてくれる人を
寄り添ってくれる人を
この時、まだ私は知らなかったんだ
私の人生を変えた
かけがえのない存在との出会いが
こんなに近くまで来ていることを…