パラノイア境界線
あたしは要らない。
そんなの要らない。
あの押し入れの中の匂いが身体から消えることはない。
だけど、体はそんなあたしを置いて成長していくのだ。
嫌なのに、そんなの嫌なのにあたしの体は獲物になっていく。
電車の中で、痴漢にあっとき
声がでなくて
フラッシュバックする母親と知らない男の裸体の姿を、脳内に駆け巡るのをただ見ていることしかできなかった。
耳を塞いで、目を閉じて必死で存在を消そうとしていた自分が心を掻き乱す。
本当に消えてしまいたいたかった。