パラノイア境界線
泣き疲れて窪んだ目と化粧のとれたグシャグシャな顔で乱れた髪を直すこともなく、あたしは駅の壁に座り込んで通り過ぎていく人達を眺めていた。
何時間もずっと、その状態でいた。
面倒臭いことには関わらないでおこうって顔をした大人たちを、見送る。
たまに女子高生目当てで声をかけてくる親父もいたけれど、昔見た聖書の言葉をブツブツ小声で呟いてやると慌ててどこかへ逃げていった。
制服はただの免罪符とブランドだ。