パラノイア境界線


「いや、無理。もう俺立ち直れないかもしれない……」

肩をガクッと落としてその場に腰を降ろしてため息をついた。

「大袈裟だなぁ……」

そんな男の姿に、あたしもため息をつかずにはいられなかった。

「俺、男子校だったからさぁ……。女子高生ってもっとフワフワしてんのかと思ってたのに……」

そのときあたしは、うなだれている男の肩にかつがれた大きなギターケースを見つけた。
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