パラノイア境界線
物凄い轟音と風を切りながら最後の電車はとまった。
「ほら、来たよ」
今日は何曜日だっけ?
今日は知らない男、くるのだろうか?
いや、今の時間はもしかしたらもう来てるかもしれないな。
「帰らないと怒られるんじゃないの?」
「帰った方が怒られるんだって!」
何も知らないのに、口出ししてくんな。
猫が毛を逆立たせる威嚇のように、あたしは彼を睨みつけた。
しかし、そんなあたしを無視して男はあたしを電車の中へと引きずりこんだ。